審神者は湯から上がり、こっそりと湯汲みの前に入れておいた、冷蔵庫の中に入っている酒瓶をこそっと持ち出す。
この冷酒は美味だがやや高価、しかも過去と現在を行き来する仕事をしているとなかなか手に入りにくい。
ふだん、刀剣たちの宴会にだしている安酒とはわけがちがう。
ゆっくりと冷蔵庫の扉を閉め、酒瓶と胸に抱き、食器棚から猪口をひとつ取り出す。
時刻はもう正子。みなはもう寝静まっているはずだ。
審神者がひとりで酒盛りをしてもだれも文句を言う人も、邪魔する人もいない、はずだった。
「こんな夜半に……ひとりでこそこそとなにをするつもりだい」
突然背後から聞こえた声に、驚いて猪口を手からこぼしそうになる。
おそるおそる審神者がうしろを振り向くと眉間にしわをよせて呆れた顔の歌仙兼定が腕を組んで立っていた。
「か、歌仙……おはよう」
羽織りの袖で酒瓶を隠すようにして、審神者はぎこちない挨拶をする。
主の挙動不審な行動に、歌仙兼定の目はとても冷ややかだ。
「おはよう。この子の刻にみなを叩き起こすかい?」
「ちょ、ちょっと待って、焦るな! ほら、一緒に飲もう。歌仙さんも冷酒すきでしょ?」
本当にそれを実行されたらたまったものではない。
歌仙兼定の機嫌をとるために、審神者は観念して袖に隠した冷酒の瓶を見せる。
冷酒を見せた途端、歌仙はころっと笑顔に変わり、審神者の手から酒瓶をとりあげる。
「それはいいね。こんなもの、主にひとりじめさせるのは勿体ない」
「わたしがひとりじめするわけないじゃない。ひどいなあ、歌仙は」
本当のところはひとりじめする気満々だった。
歌仙兼定が現れなければと、前を歩く彼に向けて審神者は睨みをきかせるが、気づくはずもなく。
刀剣たちの寝室から離れた審神者の部屋で飲むことを決め、部屋のろうそくに火を灯す。
たがいに酒を注ぎ合い、乾杯をしてから一息に飲み干す。
日本酒独特の辛さが喉を通り、非常に心地がよい。
「主にしてはいいお酒だね」
「そりゃどうも」
刀剣、甲冑、茶器、食材、もちろん酒にもうるさい歌仙もどうやら審神者が隠し持っていた冷酒をお気に召したらしい。
気に入られればまたねだられるのだろうとの考えが頭によぎったが、ここはもう楽しい酒の場。審神者も余計なことは考えないようにした。
審神者と歌仙は、お互い配慮をする必要がないという認識を持っていたので、くだけた話をしながらの晩酌が続く。
次第にからだが暑くなり、まだ早春だというのに、寝間着の浴衣を脱いでしまいたいぐらいにはからだが暑かった。
一方の歌仙はというと平気な顔で猪口に口をつけている。審神者よりも飲むペースがゆっくりなせいか、まだ余裕を感じられる。
審神者もお酒が強いほうではあるが、時間が経つと酔いがまわってきて、頭のなかがぼんやりとしてくると、思考もぐるぐると酔い始めた。
自分はこんなにも酔っているのに、あくまでも静かに、雅さを忘れずに飲む歌仙に審神者はなぜか腹が立ってきて、驚かしてやろうと思いつく。
猪口に酒を注ぎ、それを一気に口の中に含める。
そして、あぐらをかいている歌仙の真ん前に座ると、無言のまま首に腕を回し、とろんと据わった目で歌仙を見つめる。
突然こんなことをされて、もちろん歌仙は困惑した顔で審神者を見つめ返す。
「主……? どうしたんだ、いっ……ん、ふ……」
歌仙兼定が口を開くのを狙っていたかのように、審神者は歌仙の口をふさぐと、自らの咥内にあった酒を歌仙兼定に流し込む。
とつぜん流し込まれた液体に驚いて、歌仙のからだが揺れる。審神者はそれすらも楽しむかのように、舌を絡ませ、甘い息をもらす。
歌仙は口移しで飲まされた酒を飲み込むと、審神者の肩を押し、からだを退かせ、あくまで冷静なそぶりで、審神者に問う。
「お相手しようか、主」
「うーん……」
歌仙は先ほどの口づけを夜の誘いだと受け取った。今までも何度か情交をした仲である。いまさら羞恥はない。
審神者があいまいな返答でうなっていると、歌仙は審神者を抱き寄せて、腹部に顔を寄せて、腰やいさらいを撫でる。
だが、からだを撫でる歌仙の手を審神者は制止し、また悩ましくうなる。
待てをくらった状態の歌仙は審神者をじっと見上げ、審神者の返答を待つ。あくまでもむりやり致すつもりはないらしい。
審神者はというと、とても悩んでいた。それは、酒の勢いに任せて自分の性癖をさらけ出すべきか、だ。
思考はゆっくりだが、まだ自我は残っている。
そのなかで審神者は決断した。――酒のせいにしてしたいことをしよう、と。
自分を見つめる歌仙のまぶたにかるく口を落としてからからだを離して口を開いた。
「わたし、歌仙さんを乱したい」
「…………は?」
とつぜんの告白に、思わず歌仙の口はぽかんと開きっぱなしになってしまう。
そんな歌仙のことなどお構いなしに、審神者は思いを溢れさせる。一度言ってしまえばもうとまらない。
審神者の性癖は、自分では到底敵わないような男を組み敷きたいというものだった。
「わたしの下でみっともなく喘いでる歌仙さんの姿がみたいの! ね、ちょっとだけ、ね?」
「まっ、待つんだ! 男女のまぐわいというのはふつう、男が上で女性がし……」
「まぐわいにふつうもなにもないと思う」
性癖をせきららに語る審神者は歌仙の肩を掴む。
まだ理解が追いつかないものの歌仙は、それなりに審神者の言うことに歌仙は反論するが、審神者に一刀両断される。
審神者は混乱している歌仙のものを浴衣越しにそっと触れる。愛でるようにやさしく人差し指で竿を撫でると、それは次第にゆっくりとひとりでに持ち上がる。
その事象に、にまにまと審神者が歌仙を見つめると、さっと目をそらされてしまう。
この時点でももう審神者にとっては歌仙が愛らしくて愛らしくてしかたがない。
竿をただ触れるように掌で包み込み、立膝で歌仙の耳元に口を近づけて、小さく声をもらす。
審神者の吐息がくすぐったいのか、歌仙はぎゅっと浴衣の袖をにぎりしめて、からだが震えないように我慢している。
「歌仙さんやらしい顔になってる……。気持ちいいの?」
「……そういうはしたないことを女性じゃ言うもんじゃ……」
「ん、でも歌仙さんのは正直だよ」
耳元でささやきながら陰茎をゆっくりと擦ると、歌仙のものはだんだんと持ち上がっていき、固さを増していく。
声は我慢していても、無意識な動きは止められない。審神者が触れるたびにからだが飛び跳ねて、歌仙は下唇を噛む。
「主っ、やめるんだ……!」
薄い浴衣に、先から出た透明な液体が染みをつくり、糸を引く。
歌仙は口ではやめろと言うものの、審神者を突き放したりはしない。
ほんとうに嫌ならば、主だろうがなんだろうが逆らう気性の持ち主だから、審神者は歌仙が本心では嫌がっていないとわかってよりいっそう愛おしく感じた。
審神者は耳にも軽く口づけをすると同時に陰茎をぎゅっと強く握る。
びくりと歌仙はとうとう小さい喘ぎ声をもらす。
「あっ、や……やめっ、あるじ……っ、あぁ」
耳を嫐るように、舌を細くして奥まで丹念に舐められる。
浴衣のなかで握られている歌仙の陰茎は次第に大きくなっていき、先走りの汁が浴衣を汚す。
審神者は陰茎を握っていない反対の手を衿から素肌に侵入させて、つう、と歌仙兼定の肌を爪でひっかく。
爪でひっかいた部分には敏感な箇所もあり、過敏に反応してしまった歌仙兼定は背筋を反らせる。
「やめてくれっ、っは……っ、うぁ」
「歌仙さん、こんなところが弱かったんだぁ……今度からいっぱいしてあげるからね」
審神者は執拗に歌仙兼定の胸の突起を爪でなぞる。
その度に歌仙兼定ははかげな嬌声を出さないように声を押し殺す。
顔は真っ赤で、目に涙を浮かべている。それは悔しさからくるものなのか、それとも快楽からくるものなのか。
うるんでいる瞳に気づいた審神者は、目尻からこぼれる涙を舐めとり、額から鼻、顎にかけてついばむような口づけをする。
審神者が唇を顔から離すと、歌仙兼定は名残惜しそうな切ない顔をして審神者を見つめる。
まだ情事が始まってから唇を交わしていない。それが物足りなくて、口寂しくてしかたがないのだ。
審神者もそれはわかっている。だが、あえて唇を交わそうとはしない。気づかないふりをして、彼の耳元でわらう。
「歌仙さん、この浴衣、自分でめくって、ね」
審神者は耳元に顔をぴったりとつけたまま、歌仙兼定にそう指示する。
焦らされ続けて余裕がないのか、拒むこともなく歌仙兼定は浴衣をゆっくりとめくる。自分のあられもない姿からは目を逸らしながら。
浴衣で隠れていた歌仙兼定そのものがあらわになると、審神者は嬉しさを隠そうともせずはしゃぐ。
浴衣の下で猛っていた歌仙のそのものいやらしい姿に胸が高鳴った。
実は、何度も情交してるとはいえども審神者は歌仙の陰茎をまじまじと見るのはこれが初めてであった。
「歌仙さんの初めてちゃんと見た……。いっつも見せてくれないんだもん」
「それは、主がいやがると思って……っ、はぁ、んんっ……」
歌仙が話している最中にも関わらず、審神者は亀頭を手で刺激する。
透明な粘液が手に付着すると、それをわざとらしく音をたてて舐め、歌仙の羞恥心をあおってみせる。
しかし我慢しているのか、小さな声をもらすだけで審神者が望む「みっともなく喘いでる姿」からはまだほど遠い。
陰茎の根本を掴み、上下にゆっくりとこする。それと同時に左胸の突起を口に含み、やんわりと甘噛する。
「あるじぃ、あ、っん、そこ、だめっ、ん……やめてくれっ……あっ、ああ……!」
突起を何度か噛むと、歌仙兼定はよがり声をあげて腰をくねらせる。
審神者が掴んでいる陰茎も固さが増し、大きさも心なしか膨らんだ気がした。
無意識のうちに動く腰はとてもみだりで、上下に動くと、陰茎が手に擦れる。
「あるじっ、はぁ、っ……あるじっ……」
その刺激がまた脳をくらくらとさせ、ついには呼吸まで乱れていく。
ひとりでよがる歌仙兼定の姿に審神者はこれが見たかったとばかりに胸を高鳴らせる。
ちろちろと舌先で桃色の突起をいじると、また背筋を反らせて、ついには体勢を崩してしまう。
審神者は近くにあった自身の布団を引きずり、歌仙兼定の上半身をそこに寝かせてやる。
歌仙兼定は赤面したまま、口元を手で抑え、呼吸を整える。だが、審神者は休む暇を与えるつもりは毛頭ない。
「歌仙さん、いまならやめてあげてもいいよ? ここ、こんなに尖らせて、苦しそうだもんね」
「……あるじ、いじわるはよしてくれないかっ……」
乱れた浴衣に、そそり立つ陰茎、顔は羞恥でぐしゃぐしゃになった歌仙兼定を見て審神者はそれだけでご満悦だ。
やめろと言われてもやめる気なんてさらさらないくせに、やめるかどうか聞いて、歌仙の反応にまた興奮をかきたてられている。
審神者は歌仙兼定の浴衣の帯を解き、素肌を晒させる。
歌仙兼定も一糸乱れていない審神者の浴衣を崩そうと帯を引っ張ろうとするが、審神者はその手を止めさせる。
「まだだめ」
「……ずるいじゃないか」
「歌仙がじょうずに射精したら、脱がせてもいいよ」
審神者はそうわらうと、指を歌仙兼定の咥内に突っ込み、舌を掴んで、口を閉ざせなくする。
そうしてもう片方の手で歌仙兼定のいきり立つそれを擦り始める。
「んんっ、あっ、あ、あっ……」
口が閉ざせないせいでただ感じるがままに声がもれる。
審神者はそれを聞きながら、時々持ち方を変えつつ、先ほどとは比べ物にならない早さで歌仙兼定のそれを愛撫する。
その感覚にびくびくと陰茎が反応し、相変わらず歌仙兼定は腰を浮かせてよがり続ける。もう雅さのかけらもない。
「ほら、ちゃんと出して見せて」
「あっ、ああっ、いっ、……!」
尿道を刺激した途端、歌仙の足のつま先が丸まり、痙攣したかのようにからだがびくびくと動く。
審神者の手は白濁とした濃い液体まみれになってしまい、歌仙兼定のそのものにも液体が伝う。
一気に脱力した歌仙は腰を布団におろし、苦しそうに呼吸をしている。
手に指に伝う子種を審神者は丹念に舐め取り、歌仙のからだに飛び散った体液も丁寧に舐めとっていく。
自分の体液を残さず口に収める審神者の姿を歌仙はぼんやりと眺めながら、彼女の浴衣の帯に手をかける。
そして、からだを起こして審神者を逆に押し倒す。
ぼふん、と布団に押し倒された審神者は驚いた顔で歌仙を見つめる。
先ほど果てたばかりの歌仙はまだ体力が回復しておらず、精一杯の状態だったが、下に組み伏せば女性である審神者は抵抗できないだろう。
歌仙が審神者に顔を近づけると、審神者は待って、と歌仙の口を手で封じ、顔を逸らす。
「さっき歌仙さんの飲んじゃったから、口ゆすいで……」
「そんなことは必要ない」
歌仙はもうぬるくなってしまった酒瓶を傾けて猪口に注ぐと、それを口に含み、そのまま審神者に口づける。
最初に審神者がしたように、酒を口移しの飲ませると、そのまま咥内を犯す。
酒と唾液が混ざり合い、唇を離すと舌先から銀糸がひいている。
「もしかして……仕返し?」
「やられっぱなしは趣味じゃないからね」
約束通りといわんばかりに、歌仙は審神者の浴衣の帯を解いて、あっという間に脱がせていく。
審神者もそれには逆らわず、ただされるがまま、歌仙のしたいようにさせる。
白く透き通った審神者の首筋に口づけをして、強めに、印をつけるように吸いつく。
血の滲んだような赤はとても目立つが、普段は露出の少ない服を着る審神者だ。脱がされない限りは気づかれないだろう。
首筋からはじまって鎖骨、肩や二の腕まで何度も何度もしゃぶられる。
その度に赤い印や、歯型が残り、審神者のからだは痕だらけになってしまう。
「ちょっ、ちょっと……! 痕つけすぎじゃ……」
「これぐらいいいだろう。さっきはあんなに僕のからだを弄んだんだから……!」
歌仙の言葉に審神者は返す言葉もない。
すこし意地悪するつもりが、いじらしい歌仙を見て結構エスカレートしてしまった。
審神者自身にもその自覚はあったが、引き返せなくなってしまって先に至る。
歌仙はどんどん下の方に舌を這わせていき、太ももの付け根にまで噛みつくように吸いついて痕を残す。
その横に目をやると、蜜壺を覆う下着がてらてらと濡れているのがわかった。
秘所を歌仙兼定がぐりっ、と指で押すと、審神者のからだがぴくりと反応し、甘ったるい声をもらす。
「あっ、そこっ……んんぅ、あっ……」
「もうすごい濡れてるじゃないか。……いつからこんなにしていたんだか」
「だっ、だって……歌仙さんかわいかったんだもん……」
「……それは一刻もはやく忘れてもらいたいね」
正直に感想を述べる審神者に、歌仙のほうが気まずそうに赤面する。
口づけをしながら下着をずらし、指先で蜜壺にある突起を転がす。
溢れるほどの蜜が歌仙の指を奥に奥にと飲み込んでいく。
中のほうに指を二本差し入れると、かき混ぜた時にいやらしい水音が響く。
「あっ、やら、っ……まって、やだっ、待ってってばぁ……」
「……なんだい。さっきまで僕がいやだと言っても無視し続けたくせに」
「ちがうってば……歌仙さんがはやくほしいの……歌仙はやくっ……」
「さっきまであんなに僕のこと虐めて喜んで……今度は僕のを咥えたいなんて、君ははしたなくて、わがままだね」
指ではもう物足りないと、審神者は歌仙そのものを求める。
歌仙は主が望むがままに、己自身を一気に奥まで突き入れ、審神者の身体を自分に抱き寄せる。
「っ……は、ぁ、きついよ、主……」
「んっ、んぅ……歌仙さんのすごいっ、あたってるっ、あっ、んんっ……」
秘所が満たされた主はうっとりとした顔で歌仙の首に腕をまわしてしっかりと掴まる。
歌仙がからだを動かし始めると、蜜がまだまだ秘所からあふれ始め、上下する運動を潤滑にする。
水音だけが響く夜闇に、審神者は歌仙の耳元で乱れた呼吸のまま囁く。
「ん、あっ……かせ、っん……歌仙のっ、でいっぱいにしてっ……!」
「あっ、あっ、主……でるっ、だすよっ……!」
「あんっ、あっ……かせんっ、歌仙っ!」
上下の運動がぴたりと止み、ふたりのからだはびくびくと震える。
審神者のなかにはまだまだ濃い色をした子種が注がれ、歌仙がものを引き抜くと、あふれた分が秘所からこぼれ落ちる。
歌仙は審神者の額についた髪の毛を梳かし、唇を落とす。
「はぁっ……、たくさん出してしまったね……大丈夫かい、主。……、ちょっと待って、なにをっ……」
審神者のからだを気遣って声をかけた歌仙だったが、彼女はまだまだ元気であった。
起き上がって歌仙をむりやり布団の上押し倒したかと思いきや、情事を終えたばかりの歌仙のものを口に咥えたのだ。
精を吐き出したばかりで敏感な歌仙のそれに付着したあらゆる体液を審神者はじゅる、と吸いとる。
「ちゃんと最後までしないとね」
「ああっ、やめてくれっ……! もうでな……っは、ぁ、あるじっ……!」
尿道あたりを強めに吸いとると、尿道に残っていた精液が審神者の口の中に吐き出される。
それをごくりと飲み込むと、審神者はご満悦な表情を歌仙に向ける。
「ん、ごちそうさまでし……きゃっ!」
手を合わせて食後の挨拶のまね事をする審神者の肩を歌仙は思い切り掴む。
「君は……っ、本当に……!」
「か、歌仙……怒ってる? いやあ、ちょっと一回やってみたくって」
けらけらと笑うと審神者に、歌仙はものすごい剣幕だ。涙は浮かべているが。
射精後の陰茎はかなり敏感であると聞くがこれほどまでに怒るとは審神者も思わなかった。
ただ、審神者にとっては最後にまた愛しい顔をみれてよかったという思いしかない。怒鳴られたことなど微塵も気にしていない。
歌仙は眠そうな顔で審神者の浴衣を着せ直すと、自分の浴衣も整えると、控えめにあくびをする。
「まったく……僕はもう疲れた。寝る」
歌仙兼定は掛け布団に頭まで包まると、審神者を放っぽいて横になってしまう。
「えっ、ちょっと、これわたしの布団!」
「……冗談だよ。ほら、おいでよ」
歌仙が布団を少し開けると、審神者はそこに入り込む。
「あーなんだか酔いが醒めてきちゃったなぁ」
「なにを言ってるんだか。最初から大して酔ってないくせに」
「げ、ばれてる。……お酒のせいにしようと思ったのに」
どうやら審神者が大して酔っ払っていないことを歌仙兼定ははなっから気づいていたらしい。
正直に白状した審神者に、歌仙兼定は呆れ顔だ。
「……また歌仙さんにいろいろしてもいい?」
「それは勘弁してくれ」
歌仙の拒否に顔をふくらませる審神者だったが、心の中ではまたやってみようと本人の意思を無視するのだった。
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